11月のはじまり

Hが我が家にもどってきた9月の終わりから確かに私は忙しくなった。
ほとんど毎日Hを抱っこする。時々お風呂にも入れる。
ママが買い物に出かける時間を作るために預かる。
ママが病院へ行くために預かる。
でもそれについての不満はない。

いいんだ、いいんだ。
こんなときは長くない。

ママが乳腺炎でタンポポ外来にかかっているので今日も半日Hを預かった。

私の母も来ていて忙しいこと、いそがしいこと。
母にもいろいろ用事を頼んだ。

今日は運良く12時にHが眠りに入ったので
「そらっ。今のうち。」
とお昼ご飯の準備をした。

ぱぱっと手際よくご馳走ができた。だって残り物がメインだもん。
きのうママがつくった手作りコロッケ、朝作った豚汁、そしてテレビでやってたしいたけの素焼きをフライパンで焼いてテーブルに並べる。お米にちょっぴりお酒をたらし、炊き上げた新米はホカホカとおいしい。

母と向かい合い　手をあわせる。
母は食べることが大好きで「おいしい！」を連発しながら私の用意したものを全部たべてくれる。
　

たべ終わったらHの泣き声が聞こえてきた。
そらっ、1時のミルクタイムだ。
母がいっしょうけんめいHをあやす。
私は急いでミルクを用意する。

腕のなかでゴックゴックとミルクを飲むHの顔をみる。
ミルクを飲みながら目はじっと私を見ている。

この子のこのまなざしは、これからずっと変わらないだろうと思う。
涼しげでやさしい。

わたしはこの子のまなざしが好きだ。

そしてみつけちゃった。
耳に小さなほくろがあったのだ。

私と同じ。（これは内緒。）