母に歌う子守唄

私は隔週の日曜日の新聞に掲載される落合恵子さんの
「母に歌う子守唄」という連載をいつも特別な思いをこめて
愛読している。
作家として机に向かい講演者として全国を飛び回る生活と
母の自宅介護を両立させておられた。

日記にはお母様への思いがあふれ
庭に花の種を蒔き摘んではお母さんのベッドの横に飾っておられた。
彼女の介護の大変さは読むものには想像ができたけれど
自分の大切な母とどれだけ最良の時間を
もてるかということにすべての力を注いでおられた。

そして彼女の紡ぐ言葉のすべてが私の心にふれた。

夏のある日の新聞を開いた時
目に「日傘をさし母は逝った」というタイトルが飛び込んできた。
お母さんの容態が悪化し往診にこられた医師との会話がかかれていた。
緊急入院をえらぶか、家で最後まで、家で看取るか。
病院では延命のための器具や機械で患者を包み込み
いままで家族と患者との間に流れていた空気が遮断されてしまう。
そして彼女は　「家で　ここで。。」と医師に伝え
若いその医師も
「自分もたぶんそうすると思います。」
と答え　できる限りのことをすると話されたという。

今は12月　お母さまが逝かれて4ヶ月。
今日は彼女の記事が連載される日。

私はあさはやく新聞を取りに行った。
今朝の彼女のタイトルは
「いとしい人はここにいる。」