7月7日の日記

2012年7月7日
もうすぐ父の命日だ。
今年は9年目。
ゆりの花をそだてるようになった。父の命日にと思って。

でも今年のゆりの花は、母の部屋に飾ろうかとおもう。

仕上がったエプロンを持って母の部屋へ行った。
珍しく朝早めに行ったので、いつもと違う風景を見た。
他の部屋のおばあさんたちも、まだゆっくりと部屋にいて
ホールにはお一人だけ。

母はうつらうつらと起きたり寝たり。
その傍で、私はエプロンに胸元の刺繍を付け加えて仕上げをした。

いつもかわいい掛け声をおばあさんたちにかけている若いスタッフは
今日は見えなくて、中年のスタッフが七夕飾りをしているところだった。

入居後1ヶ月を過ぎて、
私はじっくりとこれからの母の生活を考えることができるようになった。

母の昼食時間に、わたしが食事の介護をしたときのこと、
となりで食事をしているおばあさんが
「うらやましい、うらやましい。」
と話しかけてきた。
家族が自分を施設にいれたきりで、ほうりっぱなしにされていると、こぼす。
他の方をうらやましがらせることは家族として慎しもうと思った。
母の部屋でなら、許されるだろう。

母は、目線がやさしくなった。なぜかはわからない。
でも、一人でベッドに過ごす時間は確実に増えている。

昨日は夫と二人での訪問だった。帰り際に夫の名前を言って
帰りの挨拶をしようとしたら、
「ありがとう。」がいえた。声を搾り出すように。

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