いい日だった

2012年7月28日
庭のカサブランカとひまわりを抱えて母に会いに行くと
兄夫婦がロビーの畳縁台に横になってる母の傍に座っていた。

縁台そのものが、なんとなく郷愁をさそい
温かい雰囲気を漂わせていた。

そこへ私もすわり母へ話しかけながら
兄夫婦と久しぶりに世間話をした。

その後、兄たちは、私に夕食の介助を頼んで帰った。

私は母の部屋へもどり車椅子の母と向き合って
いつもする足を動かす練習をした。
効果の程はわからない。
でも、すくなくとも母は嫌がらない。
一緒に体を動かしているうちに、じわっと体が汗ばんでくる。
母の表情がすこしかわり
目の動きがはっきりしてくるようにも
思う。

夕食をスタッフが部屋に運んでくださった。
「さあ、ゆうごはんだよ。」
すべてが
ミキサーにかけられて色しかわからないけれど
味はとてもおいしそう。
後から届けられたお味噌汁、
ちょっと熱いかなと口にしてみたら
すごくおいしかった。

母は自由に動く右手で食器やスプーンを触ろうとして
こぼすことがあるので
私の右手と母の右手をつないだまま左手で
夕食を口に運ぶ。
いつもは その右手がよく動くのだが
その日は違った。
やさしくつないだまま、じっとしている。
そしてわたしの持つスプーンから口に入る食べ物を
ゴクンゴクンと美味しそうに飲み込み
モグモグと口がよく動くのだ。

食べようという気持ちがいっぱい。
目と目をあわせながら、母の口に食事を運ぶ。素敵な夕食タイム。

ああ、いい日だった。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索