ボランティア仲間の男性のお父さんが御高齢で、病状が思わしくないという話をきいた。


その夜、床についてから、子供の頃の回想が始まった。


私はその方のお姉さんと幼馴染なので、子供の頃よく一緒に彼のお姉さんと遊んだものだった。


父が亡くなって10年がすぎた。

父はカメラの趣味があった。

自分で撮った写真を自宅で現像していた。

週末、写真を現像する夜には、ときどき私もその部屋へ見に行った。

離れの一室で父は部屋を暗くして現像していた。

印画紙やいろいろな現像液、フィルムから画像を大きくしたり小さくしたりする器具
いろんなものが置かれた部屋で父は真剣な顔つきで浮かんでくる画像をみつめていた。

印画紙に投影された写真は現像液の中で時間をかけすぎると失敗する。
浮かんでくる画像をちょうどいいタイミングで、定着液の入ったバットに移すことに
父は注意をはらっていた。


次の日の朝、出来上がった写真を乾かしてカッターでサイズをそろえ切る。
その作業はちょっと晴れやかでそばで見るわたしも楽しかった。

父のあの趣味は何歳ごろまで続いていたのだろうか。


子供のころの思い出に仲良しの友達とのキャンプがある。

彼のお姉さんも一緒だった。


父は中学校の教員で、バスケットボール部を受け持っていた。
夏休みにはクラブの生徒をつれて一泊キャンプに出かけていた。

そんなキャンプを小学生の私たちにも経験させてやろうと父は思ったのだろう。

近くの渓谷まで自転車にたくさんの荷物を積んででかけた。

その時みんなで撮った一枚の写真が古いアルバムの中に残っている。


その写真は父が自分で現像したものだということに
私は今あらためて気がついた。

ずうっとそのことを思い出しもしなかった。


古いアルバムに残る家族写真はみんな父が現像したものだと、、
今になって気がついて胸が熱くなった。

父の人生は新しいものへの興味にあふれ、退屈することはなかったのだろうと
そう思う。

生前の父との間にそんな会話があったら良かったと、娘のわたしはそれがとても残念。。

コメント

アミ
2014年2月2日11:41

私も、時たま、亡き両親の思い出が蘇ってきて、胸が熱くなる時があります。
折に触れ、思い出すことが、親孝行なんでしょう。
息子たちも、わたしのことを思い出すことがあるでしょうか・・・。
両親のように、潔い生き方が出来ていません。(笑)

脚はいかがですか! お大事に!

ミハーハハ
2014年2月2日21:13

すてきなお父様だったのですね。
私も父とこんな話をすれば良かったのにとか、母に聞いておけば良かったなあなんていつまでも思いますよ。

ミハーハハ
2014年2月2日21:13

すてきなお父様だったのですね。
私も父とこんな話をすれば良かったのにとか、母に聞いておけば良かったなあなんていつまでも思いますよ。

sara
2014年2月2日23:28

アミさん

突然こんなことを思い出すんですよね。今回は幼馴染のお父さんからだった。
でも思い出せたことがすごくうれしくて、しばし父の思い出にひたってしまいました。

足のほうは、おかげさまで明日ギブスが取れそうです。ありがとうございます。

sara
2014年2月3日7:39

ミハーハハさん

亡くなった親への思いは、皆さん同じですね。

家事と仕事、どちらもがんばっていた元気なころの母とはゆっくり話す時間はなかったけど、父とはいろんなことをしてふれあった思い出がたくさんあります。小さいころの思い出はいつもはどこかに隠れて出てこないけど何かの拍子にこうやって突然でてくる、そんなことを改めて感じた日でした。

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