夢の話

2016年11月25日 日常
母が亡くなって3年目が過ぎようとしている。

最後の10カ月を施設で過ごした。
私はせっせと母に会いに行った。

母は誰が会いにきたのか自分がどこにいるのか
もう分からない状態ではあったが母の体と触れ合うことはできた。

届かぬ思いを 部屋においてあるノートに書き綴った。
会いに行くと手をこすったり足をさすったり
庭の花を飾ったり
買ってきたトレーナーを前あきに作り変えて
着やすくしたり
思いつく限りのことをした。
じいっと私をみているような視線をみつけ喜んだこともあった。

声を出すこともむずかしくなった、そんな状態なのに
施設の職員の介護に
のどから絞り出すような声で
「あ、り、が、と、う。」
という時があった。

「お母さん すごい!」
と思った。

3年という月日は長いと思う。

ふっと思いだすことはあるけれどいつもじゃない。

なのに思いがけず夢に出てくる。

昨夜夢の中の私は一番衰弱した状態の母を手に抱いてご飯をたべさせていた。

丸くなったごつごつと骨があたる背中を右手で抱え
左手でスプーンを持ち母の口へお粥のようなものを運ぶと
母は必死で食べてくれた。
母を抱く右手は背中の体温を感じ取った。温かかった。
左手は母の口元を感じ、食べる音まで聞こえてきた。

場面が変わった。
食べ終わった母は 以前の歩ける元気な母にかわり、
父が寝ている布団の横まで歩いてきた。

痩せてはいたが元気そうな父は一言二言話した。

そう、その場に父も、歩ける母もいてなんとも嬉しい場面だったのだ。

元気な声で私の名前を呼ぶ母に会うこともあった。
耳元に母の声が今も残る。

別に なにか特別のことがあった日でもないのに
そんな風に両親は私の夢にでてきてくれる。

ありがたいこと。

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